認知症と在宅介護を考えるブログ

感情残像の法則で考える認知症の方の介護

time 2017/12/22

感情残像の法則で考える認知症の方の介護

認知症の方を介護するコツの一つに「感情残像の法則」を考えましょう、というものがあります。この感情残像とは一体何なのでしょうか?あまり聞き慣れない言葉ですが、先日頂いた認知症関連の資料の中身を紐解いていきたいなと思います。

 

認知症の方が感じる世界

感情残像の法則を説明する前に、認知症の方がどんな風に世界を感じているのかを推測してみたいと思います。認知症は脳の病気で、詳しい発症メカニズムには諸説あるのでここでは省きますが、病気により知的レベルが著しく低下します。

人は生まれてからずっと生活をするための学習をしています。お箸を使って食事をしたり着替えをしたり言葉を話すなどして、一人の人間として生活していくわけですね。でも認知症になると知的レベルが低下しますので、言葉が出なくなったり理論的に考えられなくなる、相手の言っていることが理解できなくなる(テレビドラマを見ていても理解できない)などの症状が出てきます。

 

そのうち外出しても帰る家がわからない、冬なのに夏の服を着てしまう、食事の方法が分からなくなるなどの症状が出るのは知的レベルが低下するからです。このような症状が出ると家族は「何をやっているの?ちゃんとご飯を食べてよ」「きちんと服を着て」と怒りますよね。それが普通の反応です。

 

でも認知症の方は知的レベルが低下しているので、そもそも何で怒られているのか理由がわかりません。また家族が怒っているとしても何を言っているのか分からないこともあるのです。

相手が何を言っているのか理解できない。「そもそも私は悪いことはしていない」そうなるとどうなると思いますか?意固地になってかたくなになってしまうと思いませんか?そして知性から感情の世界へと逃避してしまうのです。

 

感情残像の法則

家族が何を言っているのかわからない、知的レベルの落ちている認知症患者に残っているのは感情です。感情を研ぎ澄ませて相手の表情や声色、態度などを細かく観察します。「この人はいつも怒ってる、嫌だな」「この人はいつもニコニコしている。一緒にいて楽しい」など、好き・嫌いで相手を選別するようになります。

認知症の方は相手の感情を読み取る能力、感じる能力は衰えていませんので、あまりにも激しい感情を何度も見せると「この人は、嫌い」と学習してしまいます。この感情が残ることを感情残像の法則と言います。

 

まとめ

認知症になっているからと言って、何もできないわけではありません。知的レベルが下がっても感情を読み取る力はしっかり残っています。そのため、認知症の方の前で怒ったり相手を叱ったりするとマイナス感情が残り、シコリが残ることになります。信頼関係が構築できないと良い介護も実現しませんね。

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