認知症と在宅介護を考えるブログ

「ここは俺の家じゃない」と言う認知症の方への対策

time 2018/01/11

「ここは俺の家じゃない」と言う認知症の方への対策

認知症の家族会に参加し、このようなお話を聞きました。「うちの主人の症状が悪化しているのでしょうか?急に「ここは俺の家じゃないので、帰ります」と言って、急に家を出ようとするんです。「ここはあなたの家ですよ」と言ってもなかなか納得してくれなくて……」なぜこんな症状が出てくるのでしょうか?その疑問にお答えします。

 

認知症の方は記憶がどんどん逆行してしまう

認知症の方は、短期記憶がどんどん消えてしまうのはもうご存知かと思います。比較的古い記憶は残るのですが、これは短期記憶と長期記憶のメモリーを保存する場所が違うから。

海馬と呼ばれる短期記憶の場所は比較的早い段階でダメージを受けるので、間近の記憶をどんどん忘れていくわけです。でも長期記憶の場所は初期のうちからダメージを受けないので、昔話は本当に良く覚えています。

 

でもそんな長期記憶も、病気が進行すればその記憶さえも消えていくものです。認知症が進むと、本人の記憶が60代・50代・40代とどんどん退行(若返り)していき、若い時の記憶に戻る方も少なくありません。

 

そのため冒頭の方のように「ここは私の家ではありません」という認識になります。もしその方の記憶が30代頃まで若返ってしまうと、30代の頃に住んでいた場所に帰ろうとするのは自然なことです。

 

「あなた何を言っているの?」と奥さんが呼び止めても「あれ?嫁の聡子は30代だから、あの70代の女性は誰だ?見知らぬ人だな」ということになります。30代以降の記憶が消えてしまった場合、その記憶を無理に蘇らせようとするのはムダです。

一度消えてしまうと、なかなか記憶を元に戻すことはできません。「なにを言っているの?ここがあなたの家よ。私はあなたの嫁の聡子です」と言っても、なかなか理解してもらえないのです。本人は30代になっているわけですから。

 

家を出ていく認知症の方をどう引き止めるか?

「ここは私の家ではない」という認知症の方を無理に「ここがあなたの家です」と言っても納得できません。記憶がないわけですから、素直に従えるものではないでしょう。

この場合、話しをそらす方法が有効です。「あら、そうですか。でも家に帰るのはもうちょっと先にしていいんじゃないですか?まだ午後3時ですよ。お茶でも飲みましょうよ」「もう夜ですし、暗いですね。家に帰るのは危ないので、今夜は泊まっていってください。食事も準備しますので」など、本人が納得できるように優しく対応するのがコツです。

 

ここで「なに寝ぼけたこと言ってるんですか!ここがあなたの家でしょ!!」など叱ったりしないでください。本人の心は30代ですから、悪意はないのです。

 

まとめ

認知症の方の行動はなかなか理解しにくいですが、本人なりの理由があります。それをよく汲み取ってあげることが大切ですね。

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