認知症と在宅介護を考えるブログ

消えた記憶を無理に思い出させるのは良くないというお話し

time 2018/01/12

消えた記憶を無理に思い出させるのは良くないというお話し

認知症になると、多くの方が記憶をどんどん失くしていく、また新しいことを覚えられなくなります。認知症は脳の機能障害なのでこれは仕方がありません。以前は覚えていてくれたことなのに、どんどん記憶がなくなり「わからない、忘れた」ということも多いです。そんなとき、以前の記憶を思い出させようと本人を問い詰めるのは逆効果です。

 

認知症で忘れたことは取り返せない

短期記憶がどんどん消えてしまうのは、脳にある海馬と呼ばれる短期記憶を司る部位が侵されるため。だから一度消えた記憶が綺麗に蘇ることはほとんどありません。一時的に記憶が蘇ることもありますが、病気が進行すると消えた記憶を取り戻すことはできないのです。

脳の中をコンピューターに例えるとこうです。記憶を保存する領域、つまりハードディスクが壊れてしまうのが認知症という病気です。そのためハードディスクを入れ替える技術が確立されたとしても、一度失われた記憶は返ってきません。

 

もちろん今の医学レベルでは、脳にあるハードディスクを綺麗に復元したり復活させることはできませんので、認知症になり人生の記憶を失うともうどうにもならないのが現状です。だから消えた記憶を蘇らせること自体が無理なのです。

 

でも病気になっていない方々はその辺りが理解できません。自分の都合よく嘘をつく認知症の方や、大事な用件や人物を忘れた認知症の方(とくに家族など)がいると許せませんよね?

「なんでそんな大事なことを忘れるの?」「なんで都合の良い嘘をつくの」「自己保身ばっかりして!」と。でも仕方がないのです。記憶が消えているのですから、ハッキリしたことは言えませんし、周囲の人達に怒られたくないので自己保身にも走ります。

 

無理に消えた記憶を思い出させるとストレスになる

一度消えた記憶を復帰させることはできませんので、「私の事を覚えていますか?」「飼っている犬の名前は?」「お世話になった部長の名前は?」などと質問されても、記憶がないのですから返事のしようがありません。ところが「犬の名前も思い出せないの? 自分で命名したでしょ?」と怒られるとますます混乱してしまいます。

 

(そもそも犬なんか飼っていただろうか?)と思っているかもしれません。失ったものは手元に帰ってきませんので、認知症の方を責めるような言い方をしてはいけません。失ったものを取り戻すように仕向けるのではなく、これから先のことを考えるべきです。

 

まとめ

忘れてしまったことを無理に思い出させようとすると、認知症の方にとって大きなストレスになります。医療関係者も「良くない行為」と実際に言われます。焦る気持ちは分かりますが、認知症の方にプレッシャーを与えるとますます症状が悪化してしまいますのでご注意ください。

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