認知症と在宅介護を考えるブログ

着衣失行にはどう対処する?

time 2018/03/27

着衣失行にはどう対処する?

認知症の方の症状の中に「着衣失行」があります。真夏なのにセーターやコートを着込む、逆に真冬にシャツ1枚で過ごすことです。季節に応じた適切な服装ができないのですが、これはどうしてでしょうか?

季節の感覚がなくなる

勉強会でも着衣失行の認知症の方の話がでました。真夏にセーターを着て、汗びっしょりで部屋にこもっていたそうです。熱中症に気を付けましょうという時期でしたので、大慌てで服を脱がせようとすると激しく抵抗するのだそうです。

認知症の方にしてみれば「来ている服を勝手に脱がされる!そうはさせるか!」ですよね。「今は夏だから、早くセーターを脱いでください」と言っても、暑い・寒いの感覚や四季の感覚がずれていると「いやだ、今は冬よ。寒いじゃないの」と言われれば終わりです。

「今は夏ですよ。ほら、汗がいっぱい出てるじゃないですか?」と言ってセーターを脱がせて水分を摂らせたそうですが、人によっては素直に服を脱がないこともあるそうです。こういう時に力づくで服を脱がせようとして相手にけがを負わせたり、最悪、命を奪った事例もあるようなので気を付けたほうが良いです。

熱中症になるのは大変なことですが、まずは水分補給やエアコンをつけるなどして、おちついて対応した方がよさそうです。その方の場合、一人では親族を介護しきれないと悟り結果的に介護施設に入所させたそうです。

印象に残っている精神科の医師の言葉

何百人もの認知症患者の診察をしている医師の講演会で、一つ印象に残っている言葉があります。着衣失行に関することです。「季節に合った洋服が選べない、着用できない」というお悩みに対して「大丈夫ですよ。焦らないで対応してください。真夏に真冬の恰好をしているからと言って焦らなくていいんです。だって半年経てばその恰好でOKですからね」

なんておおらかな!と思いました。真夏にコートを羽織っていれば「熱中症になる」「そのまま外出されるとご近所さんから笑われる」と思ってしまいますからね。でも無理に洋服を脱がせようとすると思わぬ抵抗にあってしまう可能性大です。

そこで「ちょっとお茶にしましょうよ。コートは脱いだらどうですか?家の中にいるのにコートは必要ないですよ」とか「今日は寒いので上にセーターを着たらどうでしょうか?」と言って、無理強いせずに相手の反応を観ます。

上手く脱げないときは手伝ってあげるのも良いと思います。くれぐれも力づくで洋服を脱がさないようにしてください。本人にとっては裸にされるのと同じくらい恥ずかしいことなので…。

もしうまくいかないときは、本人の気に入っている人(家族やホームヘルパーさんなど)に協力してもらって、洋服を脱ぐように説得してもらう方が良いです。

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